《レーシック情報》レーシックの後遺症は一時的ブログ:19/6/12
「背中を洗ってくれないか」
と、父に言われた。
この父というのは、実は奥さんの父である。
わしは一瞬戸惑ったが、
「え?!あっ!はいっ」
と言いながらタオルを構え、父の背中にあてがった。
初めて父の背中というものに触れた。
なんか丸っこくて大きくて、何だかゴツゴツしている。
上手に洗ってあげようと思えば思うほどうまくいかない。
タオルがねじれてしまう…
今度は父がわしの背中を洗ってくれるらしい。
わしは静かに父に背を向ける。
父は、なんていうか、力加減を知らない。
すごく力強くて、体についている必要なものまで
洗い流されてしまいそうな感じ。
思わずわしは、身をよじってしまった。
「すまん」父は申し訳なさそうに、
「むすこの背中を洗うのは難しいな」と言った…
わしは物心のついたころから、
女手ひとつで育てられてきた。
我が家に父がいないことを悲しがらなかったのは、
母親の育てかたが上手だったからだと思う。
溢れんばかりの愛を注いでくれたので、
わしはとても幸せだった。
とは言え
父のことを思わなかった訳ではない。
ただ、そのときわしがイメージするものは
どれも好感の持てないものばかりだった。
無口!ガンコ!厳しい!
正直、「父は怖い」という印象しかなかった。
そんなわしに父ができたのは、
わしが結婚をしたからだ。
奥さんの父は、わしにとって不思議な存在だった。
格好なんてつけない。不器用だけどまっすぐ。褒められると照れ隠しする。
大きなお世話なことばかりする…
わしは、父というものに対する印象が
まるっきり変わった。